グリーンシルキャピタル破綻のニュースを読んでから数か月経過。その時はさらっと流し読みしただけなので、おさらいがてらメモっておこうと思います
自分用メモですし、既出の物ばかりなので目新しい点はありません。
グリーンシルキャピタル
グリーンシル氏、米銀大手モルガン・スタンレー&金融大手シティグループを経て、2011年にグリーンシルキャピタル起業。企業の商取引で生じる売掛債権を担保にした短期融資を手掛ける
鉄鋼・エネルギー大手GFGアライアンスに多額の投資
ソフトバンクGから投資を受ける & ソフトバンクビジョンファンドの投資先に融資
GFGアライアンス
英国の富豪サンジーブ・グプタ氏が率いる複合企業。鉄鋼部門のリバティ・スチールは、英3位。スコットランドにアルミニウム精錬所、英国内に10カ所以上の製鉄所を保有
リバティ・スチール・グループなど傘下企業の主な資金調達先=グリーンシルキャピタル
BCC
2019年4月 東京海上日動火災保険株式会社がIAGから買収したオーストラリアの保険代理店
ソフトバンク
ソフトバンクビジョンファンドの投資先企業で、破綻したもの、損失が生じたものの中で、私的・印象に残ったもの
- ウィワークへの損失で生じた損失100億ドル(1兆円)以上
- ワンウェブへ19億ドル(2,000億円)投資=破綻
- グリーンシル・キャピタルへ2019年15億ドル(約1600億円)、2020年4億ドル(約430億円)投資=破綻
- カテラへ21億ドル(2,300億円)投資=破綻
グリーンシル破綻まで
- 新型コロナ
- オーストラリアの保険会社が、グリーンシルの運用資産にかけられていた総額46億ドル相当の保険契約更新を拒否=保険失効
- 保険失効により同社債券のリスクが高まったとし、クレディスイス100億ドル相当の資金を凍結
- ドイツ連邦金融監督庁がドイツ内グリーンシル銀行の不正会計を突き止める
- グリーンシル、資金繰りに困り破綻
●お金の流れ
資金100億ドル
クレディ・スイスが、サプライチェーン・ファンドとして、投資家らから集めた金額
↓
グリーンシルキャピタル
GFG 及び ソフトバンクビジョンファンドが投資する企業への投資
グリーンシルキャピタルの主な融資先
- GFGアライアンス
- ソフトバンクビジョンファンドが投資する企業
- インドの格安ホテル運営 オヨ
- モバイル向けソフトウエア開発のフェア・フィナンシャル
- 新興建設企業のカテラ
オヨは不振&いろいろ問題あり
参考:ソフトバンクG出資のオヨ、コロナ前から苦境 - WSJ
新興建設企業のカテラは、倒産
問題点
クレディ・スイスはかねて、グリーンシルがGFGアライアンスのみを顧客とすることを懸念していたとされ、両社間の共依存状態が浮き彫りとなっていた。
グリーンシルを巡っては、独銀行子会社と英実業家サンジーブ・グプタ氏との不明朗な関係が取り沙汰されている。
グリーンシルキャピタルは、売掛債権を担保にした短期融資を手掛ける金融会社
ソフトバンクGが出資する企業への一部融資では、売掛債権ではなく、将来の売り上げ予測に基づいて融資を実行
一部の投資家に対しては、ノートと呼ばれる債券のような商品に組成されたローンが取引の裏付けとして提示されていた。
ローンの多くがクレディ・スイスのサプライチェーン・ファンドを通じて行われる
(中略)
新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、投資家らが、グリーンシル氏にとって最大の資金源であったクレディ・スイスのファンドから数十億ドルを引き揚げ
グリーンシル氏は孫氏にソフトバンクGの投資先企業に提供する資金の返還について相談。しかし週に一度の電話連絡は突然途絶えた
その後、資金繰りに窮す
ソフトバンクGは4億ドルを追加でグリーンシルに投資することで、カテラの債務を帳消しにする取引を行った。グリーンシルはこれをクレディ・スイスのファンドのノートの償還に充てた。そしてソフトバンクGはカテラに2億ドルを追加投資した
グリーンシルキャピタル破綻による影響
- 英国内外でグリーンシル関連企業に勤める人の職が失われる可能性
- GFG資金繰り悪化により、傘下企業に勤める人の職が失われる可能性
- 訴訟に発展するリスク(クレディスイス→ソフトバンク)
- 保険金請求される可能性(クレディスイス→東京海上)
関連リンク
- 独当局、グリーンシル傘下銀に資産保全命令 刑事告訴も: 日本経済新聞 2021年3月4日
- 英グリーンシル破綻、ファンド離反で SBGも出資: 日本経済新聞 2021年3月9日 3:58
- 当社子会社(BCC)に関する報道について(PDF)ニュースリリース | 東京海上ホールディングス - To Be a Good Company - 2021年03月23日
- 英政府が拒否、グリーンシル融資先GFGの257億円支援要請 - Bloomberg 2021年3月29日
- ソフトバンクGにとって「グリーンシルの破綻」は「ウィーワーク」以上の悪夢になる可能性 | 相乗効果か、“内部感染”か | クーリエ・ジャポン 2021.3.30
- ソフトバンクGの孫正義氏が見誤った「マネーの専門家」 | 会社四季報オンライン 2021/04/01 14:16
- クレディSがソフトバンクG提訴を準備、グリーンシル破綻受け | 会社四季報オンライン 2021/06/02 14:01
- クレディS、グリーンシル関連で東京海上などに保険金請求準備-報道 - Bloomberg 2021年6月16日
- ソフトバンクG、英グリーンシル破綻前に430億円注入か: 日本経済新聞
ただの感想
2020年3四半期の決算を発表で、孫社長は、SVFの出資先企業88社のうち15社は今回のコロナ危機によって「倒産するんじゃないかと思っている」と話したそうなので、孫さん的には想定内なのかもしれません
また、韓国電子商取引のクーパンの新規株式公開(IPO)や中国配車サービスの滴滴出行の評価額上昇などで、ソフトバンクビジョンファンドの利益は300億ドル以上と言われているそうです
しかし、ここ数年のビジョンファンドが投資し、うまくいかなかった企業の損失額や破綻の内容を見ていると、利益を出しても出しても、差し引きあんまり儲かっていない・・・ような気がしてならない。
グリーンシルキャピタルに、SBGが投資した金額は19億ドル前後。11億5000万ドルの債権があるそうだから、投資した金額全部なくなるくなるわけじゃない。けれど、SBGが投資した金融が、SBGの投資先企業に融資するって何だかモヤモヤする
結果的に、今回のグリーンシルキャピタル破綻の件で、クレディスイスはソフトバンクとの関係を見直し、孫さん個人への融資も解消したわけなので、影響は大きかったよなーと思う
金融機関はクレディスイスだけじゃないので、貸してくれるところに借りればいいのかもしれない。だけど国内金融機関の中にも、SBGへの融資額を減らした所もある(グリーンシルキャピタルの件がきっかけかはわからないけども)
信用は大事だね
ウィワークあたりから、ん?と思い始めた人が多いんじゃないかと思うけど、どうなんでしょうか。
個人的にずっと、ソフトバンクは「投資というよりは投機」だと思っていて、うまくまわっているうちはいいのだけれど、かなり心配です。
さて、これから保険金を請求される可能性があるということで、東京海上が気の毒なように思う。
BCCがIAG傘下の頃に契約した保険契約の更新を拒否したのは、拒否しなければもっとひどい事になるリスクがあったからだろうけれども、IAGから買収する前にわからなかったのかなぁ・・・と残念だし、そもそもBCCの買収は必要だったの?と思うのは、素人だからですかね。
なんか、ムダ金・・・な気がしてならないよ。溜息でるわ
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